絶対零度の鍵

「なんで平和に朝ごはんしてるんだよ!地球が滅亡するんだろーが!?」


もう、本当にこの子意味わかんない。


「まぁまぁ。クミもこっちきてご飯を食べなよ。ここの食べ物すごいおいしーよ」


怒りに震える僕と違い、右京は落ち着き払った様子でぽんぽんと隣の椅子を叩いた。


いやいやいや、違うでしょ。


あんたんちじゃないから。


心の中でツッこむ。


「まぁまぁじゃない!君、僕に言っていたことと兄貴に言ってること、話ちがくない?暴力的な親から逃げたなんて言ってなかったじゃないかよ。しかも、僕を吹っ飛ばしたの君だろ?」


怒りに任せて言いたいことをぶちまけるも、相手は飄々としていて、視線はハムエッグに向いている。頭の中で『次はこれ食べるか』と決めているに違いない。


「うるさい男は嫌われるよ」


悪びれもせずに、そして僕を見ることをしないまま、ぴしゃりと言い放つと、彼女はフォークをハムエッグに突き刺した。


何なんだよ。


マジでこいつ、何なんだよ。


自分の予想している反応が全く返ってこないので、次の手をどうしていいか悩む。