絶対零度の鍵

しかもだ。

あの右京とかいう小娘、僕に言っていたのと話が違う。

あんなにぶっとんでいたのに、信憑性があるような(ないような)話を兄貴にしている。

なんでだ。

腑に落ちない。


地球滅亡の危機はどうなったんだ。

絶対ふさげているとしか思えない。

あの女、絶対確信犯だろ。

記憶あるだろ。

精神はたぶんおかしくないだろう。


そこまで考えるとだんだんムカムカしてきて、僕はずきずきと痛む身体をひきずりつつ、寝室を後にする。


そしてリビングに通じるドアの前に立ち、すぅーっと息を吸い込んで、



「おいこら!」



バーン!という音を立てて開けた。



「お?」



もっきゅもっきゅとハムスターの頬袋のごとく口いっぱいにクロワッサンを頬張りつつ、迷惑因子は僕を見て首を傾げた。