絶対零度の鍵

「ま、とにかく。ここの家か実家かはお前に任せるから、適当にしてやって。ほとぼり冷めれば彼女もきっと考えるだろうからさ。俺もう時間ないから行くわ。鍵閉めとけよ。朝飯作ってテーブルの上に置いてあるからつまんでなー」


お大事にーと言い残し、兄貴は部屋を出て行った。

残された僕は、暫く考えることを止めた。

頭をくるりと回転させて、時計に目をやる。


時刻はジャスト7時だ。

今日は土曜日だ。

予備校のある日でもある。


いつも通りだ。

毎週のことだ。

それなのに、そこに。


非日常が入ってきてしまう。

妄想癖の女。

考えたくなくなるのも当たり前だ。