絶対零度の鍵

確かに、人間とは違うのかもしれない。

そう思わずにはいられない。


技師が帰っちゃったから、今日の所はレントゲンもMRIもCTも撮れなかったみたいだけど、

要は、背中以外の傷は自力で治っちゃったみたいだから必要なかったんだろう。


あ、でも頭打ってるかもしれないからそっちは必要か。それは明日かな。もう0時を過ぎたから今日か。


それとも理由ありだから撮れないのかな。保険きかないと高いもんな。この子、払えそうにないし。


背中の方は何の毒かもわからないんだから、傷口洗浄して、後は本人の気力に任せるって所かな。


とにかく、あの兄貴が眠るくらいなんだから、手は尽くしたはずだ。


きっと僕と同い年くらいだと思う。

一体彼女に何があったのか。


「とりあえず、目、覚ましたら?」


少しの八つ当たりを籠めて、ちょっと冷たく言ってみる。

勿論、彼女は反応を示さない。


それどころか、時折、苦しそうに顔を歪める。



「大丈夫なのかな。」


彼女以外、自分だけしかこの空間に居ない事実に、急に心細くなる。