絶対零度の鍵

「マジかよ…」


引き止めようと兄貴に向かって伸ばしかけた手を戻して、自分の額に当ててがっくりと項垂れる。


今しがた兄貴が座っていた椅子に座ると、ギッと軋む音がした。


反対向きに跨るようにして、背もたれに頬杖をつく。


そこから元凶をじっと見つめた。


ちょっと目が悪くてはっきりと見えない。


「はぁー」


誰も聞いていないのを良い事に、盛大に溜め息を吐くと、タイヤ付きの回転椅子をコロコロと転がして、少女が横たわるベットに近づいた。


透き通るような肌。

蛍光灯の光の下では、青くすら見える白銀の髪。

死んだように眠る彼女は、さっきから確信しているように、かなり美しい。