「関係あるんだってば…」
大きな背中に、聞こえないようにつぶやいた。
保健室には、ちょうど先生がいた。
「すごい腫れてるじゃない」
藤田くんの顔を見るなり、慣れた手つきで氷嚢(ひょうのう)を出した。
「あ、田島先生が言ってたケンカ?」
「…まあ…」
「口も切れてるみたいだから、手当するわね。あなたはもう帰っても大丈夫よ」
藤田くんの隣でぼーっと突っ立っていたあたしに、
先生は『ありがとう』と微笑んだ。
そっか。
もうあたしの出番は終わりだった。
私と一緒に保健室に来れただけでも嬉しいことなのに、
一体なにを期待してたんだろう。
チラッと見た藤田くんは、
腫れたところに氷嚢を当てて、ムスッとして座っていた。
「あ…じゃあ…失礼します…」


