「勝手にどっか行かないでよ」
あたしの顔を覗き込むように、
藤田くんはニヤリと笑った。
「…っ、いかない!!」
「さっきは急に走り出したくせにね」
「……うるさいなー」
他愛もない会話をしながら、
レディース・メンズの服が一緒に並べられているお店を見て回った。
学校で使えそうなカーディガン。
でも、もうすぐ着ない季節になるってことで却下。
レトロめな茶色のジャケット。
でも、藤田くんの服の系統が少し違うってなって却下。
そのほかにもあったけど、
色んな理由が重なって、これと言ったものはなかった。
「なんかこれだってういのあった?」
「んー…」


