「藤田くんはそれでもいいって言うでしょー!」
振り向かずに言った。
だって藤田くんは嫌なんて言わない。
だって、『俺と行きたいところがあるなら、全部行こうよ』って言ったじゃない。
それって、やりたいことも同じでしょ?
屁理屈かな。
隣に隣接されているショッピングモールまではあっという間だった。
「…っリコ!走らなくても服は逃げないよ」
それでも、呆れたように笑う藤田くんがたまらなく好きだと思った。
日差しが春に近づいてきている中走ったから、
少し背中が汗ばんでる。
「可愛い服あるといいねー」
「あんまり可愛すぎるのはやだよ」
腕を掴んでいた手がパッと離れたと思えば、
ふわりとその手があたしの手を包んだ。


