「いやあ、でもそれはっ友里がいたからだし」
「手冷たいとか腕やばいとか言いながら最後までやってたよね」
やばいなにこれ…。
あたしの時間止まりそう。
「片山も料理がうまいんだなって思うけど、言われたことをちゃんとやってたの、えらいよ」
「……そんなの、当たり前だよ…」
三角巾からはみ出した前髪を少しいじる。
藤田くんに褒められた…。
褒められました……。
「当たり前のことが出来ない人って案外多いよ」
あたしから目をそらし、
ゆっくりお味噌汁をかき混ぜた。
「…そうかな…」
「そうだよ」
なんだか藤田くんに『頑張ったね』って言われてるような気がして嬉しかった。


