あの家庭科の授業が終わってから、
藤田くんは同じような目にあっていた。
そのときも、同じ顔してたな…。
藤田くんを見てると、
……視線が絡み合った。
口パクで『た・す・け・て』って……。
……かわいいとか思ってませんからっ!!
その光景が可哀想に思えてきて、
あたしはいつもより少し大きめの声を出した。
「さあはじめますかっ、あれ、藤田くんいないなー」
藤田くんは、あたしの彼氏なんだから!
わざと周りをキョロキョロ見回して、
視界に藤田くんが入ったところで止める。
「あーもう、藤田くん何してるの?早くきてよ!」
「河野がウズウズしてるから行くよー」
友里も乗ってくれて、あらかじめ決められていた調理室のテーブルに行く。
ガスコンロ、手洗い場、机の下は鍋などの収納になっている調理室特有のテーブル。


