絶対恋愛事情

頭の中が真っ白になってひたすらリダイアルを続ける。

しかし、聞こえるのは留守番電話の時に出る音声ばかり。


「...っくそ!」


俺は来た道を戻り、彼女の家の方向へ歩く。

人通りの少ない道で街灯も段々と少なくなっていく。


なにも考えずに歩いていくと、見えたのは赤い照明。

もしかして、と思い俺は小走りになる。

案の定、救急車であった。

道路の真ん中で警察が道の補導をしている。


「...うそ、だろ?」


まさか彼女がこんなことになるなんて。

俺がデートしようなんて言ったから?

俺が無理やりにでも一緒に帰っていれば?

そう思うたび、自己嫌悪が激しくなる。

でもまだ彼女が事故にあったとは限らない。

違う人、願ってはいけないかもしれないけど、無意識に願ってしまう。