みんながその女の子に視線を向ける。
「あんたはだまっ……」
「私俊くんの従姉妹です」
陽菜はきっと“黙ってて”と言おうとしてた。
けれど、その言葉に被せるように言い放った女の子の声。
「……は?」
思わず漏れた私の声に、俊を掴んでいた手を緩めた陽菜。
「嘘じゃありません!えっと……これ」
女の子は鞄をゴソゴソと探ると、差し出したのは生徒手帳
。
陽菜がそれを受けとると、女の子の名前が入ってあった様で。
「小谷早織、さん……」
陽菜が呟いた名前は、女の子のものだろう。
小谷、は。俊の名字だ。
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