「佳奈……」 私の顔を見る陽菜。 固まる俊。 異様な雰囲気を感じているのは、きっと3人だけ。 足を止めた俊に、「どうしたの?」と。 可愛く尋ねる女の子。 ここで。 思いっきり泣ける女の子だったらどんなにいいだろう。 喉は痛いくらいに苦しくて堪らないのに。 私の理性が溢れそうな涙に歯止めをかけるんだ。 私の頭は真っ白にならない――――― ツカツカと俊との距離を詰め、 「最低」 走り出すこともなかったのは。 醜態をさらしたくないという、私のバカみたいなプライドのせい。