慌てて開くボタンを押す私。
「ありがとうございます!エレベーター間に合ったよー!!」
お礼は私達宛て。
その後は、来た方向に振り返り、友達を呼んでいるのであろう言葉。
高校生だろう。
だけど、身に纏うコートの丈が長く、何処の高校なのかは分からない。
その女の子の言葉のまま、反射的に友達を呼んだ方向を見た。
「ぁ……」
私の声は、きっと誰の耳にも入っていないだろう。
それくらい、か細く、蚊の鳴く程の声は。
私の頭に自棄に響く。
そこには、女の子の肩を抱き、笑顔で会話する俊。
私の顔を見て、一気に顔を強張らせている姿は。
私の涙腺を容赦なく刺激した。

