「朝陽……」
それって……
見つめる瞳が言葉を放っている様にも感じた。
朝陽は……だって……え?”由紀”よりも……?
頭がもうパニックで。
思考回路が上手く働かない。
真剣な顔を崩し、微笑みながら言葉を落とした。
「陽菜が好き」
それはかつて私が一番望んだ言葉。
欲しくて欲しくてたまらなかった、たった一言。
思わず涙が溢れそうになるのをぐっと堪えたその時。
「朝陽と陽菜はやーい!!気合い入ってるじゃん!」
実行委員のクラスメイトが三人一緒に登校して来て。
パッと顔を背ける私に、机から降りた朝陽が実行委員に近付いていく。
ヤバっ……。泣いたの見られてないよね?
「トイレ行ってくる」
そう口にすると、「はいよー」と明るい声で返され、逃げる様にトイレに向かった。

