自分の席に目を向ける。


――まだ来てない、か。




私の後ろの机にはまだ鞄がかかっておらず。

キュッと胸が締め付けられるも少しだけ気が抜けた。




「大丈夫なの?」

隣に立つ佳奈が心配そうに眉を曲げ私を見つめる。



大丈夫……じゃない。

だけど大丈夫って言い聞かせてないと立っていられない。



佳奈に向かって満面の笑みを向けると、



「大丈夫!!」





片手でブイサインを作り自分の席へと近寄った。