「ありがとうございました!」
「……ありがと」
車を降りて携帯で時間を確認すれば7時過ぎ。
車内の会話のノリは兄妹だからか、もうウンザリだったけど。
送ってくれた事には素直に感謝。
本当だったら電車乗ってバスに乗らなきゃいけなかったんだし。
笑顔で手を振るお兄ちゃんにニコッと笑い、軽く手を振った。
車が見えなくなるまでブンブンと両手を広げて手を振る朝陽。
「マジでいいキャラだよなあ。陽菜の兄ちゃん」
いやいや。あんたも似たようなもんだよ。
呆れた笑顔を浮かべつつ。
けれど先程からチラホラと浴衣姿の人達が私達の通り過ぎてる環境に、自然と胸が踊り出す。
「いこっか」
そう口にした朝陽はさりげなく私の手を握る。
「うんっ!」
満面の笑みを浮かべて、一緒に歩き出した。

