「…そ、うなんだ。貰えるといいね、その人に」 動揺を隠すために、なるべく冷静に。 「ああ」 優しい笑顔で笑う村上。 …やっぱり、あたしはこの人が好きなんだ。 『あんたと村上は絶対に両想いだから』 瑞希が言っていたことを思い出す。 信じても……いいよね? 「じゃあ、帰るか」 あたしがアイスを完食したのを見て、村上がベンチから立ち上がる。 「うん」 遠くもなく、近くもない。 そんな距離を保ちながら歩いてく。 そして 粉雪が 2人の足跡を消していく。