て・そ・ら



「・・・はあー。あったかーい・・・」

「本当ですねえ。眠くなっちゃうなあ・・・」

 二人でごろごろと寝転んでいた。草の匂いがして、グランドで練習する色んな運動部の声が聞こえてくる。風の音、それから――――――――――――草を踏みしめる足音。

「・・・何でこんなところで寝てるんだ?」

 それに、横内の声。

 ・・・・・うん?

「えっ!?」

 あたしはがばっと起き上がった。

 勢いよく上半身を起こして身を捻って振り返る。そこには、キャップを被っていつものジャージを着た噂の人、横内が立っていた。

 ――――――――うひゃあああああ~!!

「よ、横・・・うち、くん」

 あたしがワタワタとそういうのに、彼はキョロキョロと視線を下の方へ彷徨わせる。

「あ、ボールならあそこですよ~」

 隣からヒカリちゃんの声がして、それに横内が頷き、下へと駆け下りていく。

 ・・・・ああ、ボールが転がってしまったのを取りにきたのか。・・・び、びびびびビックリした~!

 ドキドキする胸に手をあてていたら、隣からヒカリちゃんが覗き込んで言った。

「せんぱーい、お友達ですか?」

「へっ!?い、いやいや、ええと、クラスメイトで・・・」