て・そ・ら



 それから3日間はやっぱりまだ低気圧が居座っていて、あたしが住む街はいつでも曇りか雨だった。

 だけどそれなりに凹まずに、朝学習にも参加できたのだ。それは、横内がくれたお守りのおかげ。

 それから必死に勉強もした。もう次は参加しなくてもいいように。それも、横内がくれたお守りに誓って。

『なかなか頭がよくなってきたかも。ちょっと運も上向きかも』

 そう一行日記に書いた次の日、だけどあたしは、また凹むことが起きたのだった。

 結構特大の、凹むことが。


「残念だったわね。今回は出品も多かったみたいなの」

 顧問がそう微笑んで、あたしに長くて白い封筒をくれる。

 中身を見なくても判った。

 これって、参加賞だ。


 あたしの絵は落選してしまった。

 結構な時間をかけて、愛情も注いだけど、やっぱり見破られたのかな、と思った。

 横内に言われた夜に考えた「格好つけた作品だったかも」ってやつだ。情熱や愛情ではなく、それが表に出てしまっていたのかもって。

 実際のところは判らない。クロッキー用の鉛筆が入っている参加賞を貰う程度では、講評もして貰えないからだ。美術部のメンバーでは今年はいい成績をとったものは一人もおらず秋の芸術期間を終えてしまった。

 これでは来年の部活予算が削られる~!!と叫んでいたのは部長と会計で、あとのメンバーは仕方ないじゃーんなどとお菓子を食べていた。

「七海も残念だったね、あたしは好きだったんだけどな、あの絵」

 そういって慰めてくれた人は多かったけど、あたしはありがとうと返して席を立つ。