て・そ・ら



 『何と、Yが彼氏になった!』

 一行日記にそう書いて、朝の電車の中、あたしは一人でニヤニヤと笑う。

 ここ数日、結構な興奮状態だったあたしは、何と一行日記をかくことすら忘れていたのだった。それだけ人生ひゃっほー状態にいたってこと。

 横内がああ言ってくれたあと、学校はすぐに期末テストに突入した。お互いに照れまくって教室では相変わらず話せなかったけど、テスト後の図書室に彼が誘ってくれたので、実は二人で勉強していたのだった。

 興奮するでしょ?するとこなんです、これは事件だ!

 だってあたしが男子と二人で勉強してんだよ!マジで事件だ!

 その結果、最初は頭に血がのぼって勉強どころじゃないよ~!なんて思っていたあたしは、横内が意外にもスパルタだと知って驚く羽目になった。

 ・・・意外、ではないのか?だって彼は運動部だしな。根性はそりゃあ、あたしよりは元からあるのか。それに、顧問が勉強には厳しいって言っていたし。朝錬昼練夕練にしっかりと出て土日祝日も部活に励む高校生は、勉強すると決めた時間に必死でやらないと両立できないのかもしれない。

 とにかく、彼はガンガン勉強していた。照れたり妄想したりしているあたしのシャーペンの音が止まったならば、横内は容赦なく突っ込みをいれてくるのだ。

 もう終わった?とか。

 で、ほとんど何も進んでないあたしの問題集をみて、苦笑する。それから何と、時間中にこれできなかったらバツゲームな、とか言い出したのだ!

「ええー!?」