君との別れの後
僕は時折この公園に来る
心が凍えるものだから
橋の欄干にもたれて暫し休息をする

暗闇で吸う息は寂しがり屋の天使を連れて
群青色をした僕の心の奥深く吸い込まれ
そして暫しのち
凍えた白い吐息が夜の湖面に落ちてゆく

寂しがり屋の天使たちが
愛を射止める弓矢を上手く使えないと嘆き
僕の心の中で慟哭するものだから
僕は、その痛みに耐えかねて
思わず涙をこぼしてしまいそうになる

君と初めてキスをした
この公園のベンチは
今日も誰かと誰かの愛を育む
けれど、もう僕の隣に君は居ない
君はもう、僕の知らない誰かと
僕の知らない公園を歩いているのだろうか

君だけに設定したスマホの着信音は
いくら待っても鳴ってはくれないから
僕は、かじかんだ掌に白い息を吹きかけ
遠くに輝く青いイルミネーションに目をやる

けれど、やっぱり君は何処にも居ない
君との思い出ばかりが氷の刃となり
僕の心をチクチクと刺す
僕は泣きそうな程の痛みをこらえて
サンタクロースにお願いをする

どうぞ僕に、君の居ない新しい未来に踏み出す為の
ほんの小さな勇気を下さい