この場でそのセリフを口にするのはなんか、違う気がしたから
後半戦に間に合うよう、必死に手当てをする
「これでどうかな・・・」
消毒や腫れを抑える薬を塗り包帯で足首の固定をした
「うん、大分楽になった、ありがとうな」
そう言う瀬尾くんはやっぱりキツそうで、見てられなかった・・・
「瀬尾くん・・・痛み止めも飲んで置いたほうがいいかも」
"せめて、少しでも痛みが消えてくれれば"そんな思いで瀬尾くんに痛み止めの飲み薬と水を渡した
私には・・・これくらいしか出来ないから
今でこんなに痛そうなのに、走れるのかな・・・
大丈夫、なのかな・・・
「・・・瀬尾くん、やっぱりッ「ごめん。櫻田。」
私の言葉を遮ってバツ悪そうな表情をする瀬尾くん
「無茶なのはわかってる。でもこの試合、最後までフィールドに立っていたい。逃げたくないんだ」
"この試合"・・・?
瀬尾くんが初めてのスタメンとしての試合だから・・・?
今後のレギュラーがかかってる、大事な試合だから・・・?

