頭に血が上ったかのように右手を振り上げる門倉
本能時に殴られるっと思い歯を食い縛る目を瞑る
「女だからって、甘く見んなうぜえ」
「・・・・・ーッ」
・・・?
来ると思っている衝撃が来ず、不思議に思いソッと目を開くと振り上げた門倉の右手をガッチリ掴む部長
「ウチの可愛いマネージャーに何するつもり?うぜえのはお前だ」
「・・・ぶちょお」
あの・・・優しい部長が・・・こんなに怒った表情するなんてっ
「うっせえな離せよ!!」
「もう返ってくれ。今後そちらさんとは練習できねーから」
そう言う部長の手に力が入ったのか、門倉の表情がクシャッと一瞬鈍った
そのまま掴まれる右手を勢いよく振りほどき、私たちに聞こえるくらいの舌打ちをしてその場を去る門倉と西郷高校サッカー部
広いグラウンドは嵐が去ったかのような静けさに包まれた

