悪くないのに、罪意識を感じて欲しくないっ
でも、なんて言ったら良いのか全然わからないから
少しでも意識が他に散らせればっ。
私には、それくらいしか掛ける言葉が思い浮かばないからっ・・・
落ち着いたところで試合に視線を移すと悲惨な光景
あれだけ有利だった私達に、それを邪魔するかのような行動にしか見えないことをする西郷高校
パス回しが出来ないくなるのは向こうの技術なのかもしれないけど
・・・ケド
平気でぶつかってきたり
ボール蹴るフリして先輩達の足を狙ったり
とにかくケガをしないように注意するので精いっぱいな様子の小宮先輩や雅樹先輩
「ヒドイっ・・・」
こんなの、マトモじゃないっ・・・
「・・・アイツら」
異様な光景に呆気にとられる私の隣でグッと手に力が入り何かを堪えてる様子の瀬尾くん
「・・・マズイな。怪我人が出てもおかしくない」
「部長・・・・・・。やっぱり、もう今日は終わりにした方が・・・」
「そうだな。」
部長が、試合を中断することを決めたその時
グラウンドから尋常じゃない程の悲痛な呻き声が私達の耳まで届いた

