二人して安心したその時
「ハヤトー!」
と、ボールを蹴りながら走り駆ける颯斗に向かってゴール近くにいた瀬尾くんがパスを求め声を上げると
ーードンッ
「ーー〜ッ」
「え・・・っ」
相手チームの人と瀬尾くんの肩がぶつかった勢いで瀬尾くんがその場に崩れ落ちた
「えっ・・・セオくん・・・?」
衝撃的で状況を飲み込めないまま立ち尽くしていると、部長が"タイム!"と叫んで瀬尾くんの元へ駆け寄った
そんな状況に私もハッとし、部長の後を追うようにして瀬尾くんの元へ駆け寄る
「瀬尾くんっ・・・」
「ユウキ!大丈夫か?!」
少し表情を歪めて小さな身体を丸めて痛みに耐えように肩を押さえる瀬尾くん
「大丈夫です・・・これくらい」
「でもっ・・・」
"大丈夫"って言ってくれてるけど・・・凄く、痛そうにしてるのが伝わってくるっ
こんなことしてっ・・・
こんなのを試合だなんてっ・・・
怒りを募らせ西郷高校へ目線を移すと何食わぬ顔で笑い喋っているメンバー達
「・・・っ」
人に怪我負わせて置いて、謝るどころか反省の色が全くないなんて

