ポケットにはチョコレート


俺もあんな風に抱きしめられた。
あの子みたいに
涙は出せなかった。

でも本当は
泣きたかったのかもしれない。

ただ涙の流しかたが
わからなかった。

笑うことも‥
泣くことも‥
怒ることも‥‥

昔どうやってそんな感情を
出してたのか
わからなかった。

ぼーとその子をみて昔のことを
思い出していると‥

「あの子‥施設の子‥?」

セナが聞く。

「だと思う」

「そんな‥可哀想だよ。
まだあんなに小さいのに
幸せになってほしい。
ママとまた幸せに‥‥」