あなただけを見つめてる。



「じゃあ、私、ちょっと水飲んでくるね」



私も照れくさくて、そう言ってくるっと向きを変えた。



「待って。葉月」



だけど、向日くんに呼び止められて顔だけ振り向く。



「俺こそありがとな」


「……えっ?」



私、向日くんにお礼を言われるようなこと何もしてないよ?



「走ってるとき、葉月の応援してくれてる声、聞こえてた」


「……っ」



うそっ!?


私の声なんて周りにかき消されてるかと思ったのに。


ちゃんと、向日くんの耳に届いてたんだ。



「葉月に絶対1位でゴールするって言っときながら、2位でゴールするわけにはいかねぇ!って必死だった。だから、1位になれたのは葉月のおかげだよ」


「……向日くん」



そう言って、いつもの笑顔をくれる向日くんに、きゅんと胸が高鳴った。


私、向日くんのこと……