あなただけを見つめてる。



「朝陽、ご指名入りました~♪」



土屋くんが茶化すような口調で言う。


周りの男子も、ヒューヒュー!とか言って冷かしてくるし、恥ずかしすぎてこの場から逃げ出したいよ……。



「わかった、行こう!葉月!」



でも、向日くんはそう言うと、応援席からすぐに私がいる場所まで出てきてくれて。


そして。



「……っ!」



私の右手をしっかりと握りしめると。



「葉月、走るぞっ!」


「……うんっ!」



手をつなぎ、走る私たち。



“キャーーッ!!!”



応援席からは女子の悲鳴が聞こえてくる。


私、また反感かうようなことやっちゃってる……?



「葉月、あと少しだからがんばれっ!」



私のスピードに合わせて走ってくれる向日くん。



「うんっ!」



今は余計な邪念は捨てて、目先のゴールを目指して走らなきゃ!