「どした?葉月!なんて書いてあったんだ!?」
私に声をかけてくれたのは、向日くんだった。
お目当ての人物がすんなり見つかって安心したのと同時に、向日くんを前に私の緊張は最高潮。
でも、もう時間がないっ。
「向日くんっ、一緒に来てくださいっ!」
精一杯の勇気をふりしぼって、私は向日くんを指名した。
“向日くんだって!”
“足が速い人とか書いてあったのかな?”
“いやいや、イケメンの人~!じゃないの?”
そんな女子の会話が飛び交っている。
どうしよう、あとでなんて書いてあったかみんなにバレたら大変なことになるかな……?
でも、あれを見たとき、向日くんのことしか思い浮かばなかった。
向日くんしかいないって、そう思ったんだ──。



