あなただけを見つめてる。


借り人競争は、足が速い遅い関係なく、いかに早く紙に書かれている人物を見つけ出すかが勝負のカギだから、去年は私でも2位でゴールできたんだよね。


第一走者たちがスタートすると、みんなそれぞれ紙に書かれた人物を探すために応援席や本部席へと散らばっていった。



“だれかーっ!坊主の人一緒に来てくださーいっ!”


“髭はやしてる男子いませんかー!?”


“髪を二つ結びにしてる女子ー!”



そんな必死に呼びかける声があちこちから聞こえてくる。


なんとかみんなお目当ての人物を見つけてゴールを目指して走りだした。


次はいよいよ私の番だ。



“位置について、よーい……”


──パーンッ!!



私は自分のレーンを走り、手前に落ちている黄色い紙をひろげる。


だけど、次の瞬間、私の動きが止まる。


早く走り出して探しに行かなきゃいけないのに。



どうしよう……。