あなただけを見つめてる。




リレーもいよいよ終盤を迎え、残すはアンカー対決のみとなった。


他のクラスのアンカーには、向日くんと同じサッカー部や、陸上部、バスケ部などの俊足が勢揃いしている。


うちのクラスはいまのところ2位の順位で走っていて、1位を走る1組との差はかなり広がってしまっていた。



「朝陽っ!あとはまかしたっ!」


「おうっ!」



向日くんと仲がいい土屋くんが、向日くんにバトンをつなげる。


そして、黄色いアンカーのたすきをかけた向日くんが走り出す。



頑張れっ!向日くんっ!



向日くんは、綺麗なフォームを崩すことなく風のように駆け抜けてゆく。


前を走る1組の男子との距離はどんどん縮まっていって。



“向日くーーん!!がんばってーー!!”


“朝陽ーーっ!!抜かせーーっ!!”



クラスのみんなも、一生懸命、声援を送っていた。



あと少し!


あと、ほんの少しで、抜けるよっ、向日くんっ!



「がんばってっ!!がんばって、向日くんっ!!」



気付いたら、私も叫んでいた。


自分でもびっくりするくらい大声で、何度も何度も。