あなただけを見つめてる。





「あれ?保健室の先生いないみたいだな」



結局、下足路で上履きに履き替えるまで向日くんは私をおろしてはくれなくて。


そのまま、向日くんに付き添われて保健室にやってきたのだけれど。


電気も消えてるし、保健室のカーテンのベッドも全部開いていて、そこには誰もいなかった。



「まぁ、いいや。俺、サッカーでよく怪我したりするから、保健室のことはけっこー詳しいんだよね~」



そう言って、私を黒い丸椅子に座らせる向日くん。



「……でも、先生がいないのに、勝手に使っちゃってもいいのかな」


「平気平気っ。俺、ニッシーとはけっこう仲良しだし♪」


「え?ニッシー??」


「あー、保健室の西川先生のこと」


「へ、へぇ……」



先生のことをニッシーなんて呼んでるくらいだから、ほんと仲良いんだろうな。



「向日くんて、すごいよね」


「え?何が?」



いつも元気で、明るくて。

人懐っこくて、気さくで。



「誰とでもすぐに仲良くなれちゃうから」