あなただけを見つめてる。



「うわ、すげー血。葉月、立てる?」



私の身体を支えながら立ち上がらせてくれた向日くん。



「……ごめんなさい」



みじめだった。

私は、ふつうに走ることすらできなかったなんて……。



「葉月。そこは、“ごめんなさい”じゃなくて、“ありがとう”だろ?」



そう言って向日くんはニッと笑う。



「先生ー!俺、葉月を保健室まで連れてきます!」



体育の先生にそう告げる向日くん。



「えっ!?私ならひとりで保健室に行けるから大丈夫だよ?」



私のせいで、向日くんにまで迷惑かけるわけにはいかないよ!



「何言ってんだよ。こんな怪我してんのに」


「ほんとに大丈夫だから」



もうこれ以上、向日くんに迷惑かけたくない。



「葉月って見た目によらずけっこー頑固なんだ?」


「だって……、」


「じゃあ、しかたない。こうするしかないか」


「え?……きゃあっ!」



ふわっと一瞬宙に浮いた身体。


うそでしょっ!?



これってっ……


お姫様抱っこ!!!?