あなただけを見つめてる。



たしかに、クラス1、もしかすると学年1俊足の向日くんからしたら、私の足が遅い悩みなんて“そんなこと”って言っちゃうほど、くだらないことなのかもしれない。


でも、私にとっては、リレーで走ることがものすごくプレッシャーなんだよ……。



「嫌なことをヤダなーって思いながらやると余計に嫌になったりしない?」

「…………」



たしかに、それは言えてるかも。



「俺はさ、どんなことでも、どんなときでも、その場を楽しんだもの勝ちだと思うんだよね」



……楽しんだもの勝ち?



「だから、そんなこと気にしないで楽しく行こうぜ!なっ?」



そう言って、ポンッと私の肩を軽くたたいてニコッと笑ってくれた向日くん。



「…………」



なんでだろう。


向日くんにそう言ってもらったら、少しだけ気がラクになったような気がする──。