あなただけを見つめてる。




「今年の服装のお題は、“デート服”ということでしたが、ワンピースにドレスに浴衣に、女子のみなさんは華やかでそれぞれとっても素敵ですね~!さて、それでは早速ですが、今からみなさんには3分間スピーチをお願いしたいと思います。では、まず男子のエントリーナンバー1番の……」



……っ!!



全身が心臓になったみたいにドキドキしていた。


スピーチは、あいさつ程度で終える人も多くて、あっという間に順番は回ってきてしまった。



「続きまして、女子のエントリーナンバー3番。葉月葵さん、お願いします」



湧き上がる歓声。


まぶしすぎるスポットライト。


みんなから向けられる視線。


司会者から渡されたマイクを持つ手は、ガタガタと震えていた。



「葵ー!頑張ってー!」



そのとき、客席から飛んできた風香の声。



「葉月ちゃーん!がんばれー!」



土屋くんの声も聞こえた。



「葉月さん!落ち着いてー!」


「がんばってー!」



クラスのみんなの声も聞こえてくる。


私は大きく深呼吸をした。


自分のために、それからみんなのためにも。


この浴衣の向日葵のように、堂々と胸を張って頑張ろう。