そして、私はついに向日くんと彼女の姿をとらえた……。
透明のビニール傘をさしたその子は、ミルクティー色の髪がお人形さんのようにふわふわとしていて。
線が細くて、S女の上品な紺色のセーラー服がよく似合う、目鼻立ちがハッキリとしたとても可愛い女の子だった。
その透き通るような白い肌は、今、涙と雨が混ざって濡れている。
「だって、突然、距離を置くって言われたってわかんないよ!一週間?一か月?どれくらい待てばいいの!?それとも、このまま自然消滅に持ちこむつもり!?」
周りの目なんてまったく気に留める余裕もないほど、彼女は興奮していた。
それほど、あの子は向日くんのことが好きなんだ……。
「桜子、場所変えてちゃんと話そう」
傘もさしていない向日くんは、全身がもうびっしょりと濡れていて、ワイシャツの下に着ている黒いTシャツが透けて見えている。
すると、そのとき、周りに視線を向けた向日くん。
……ドクンっ!
なんて間が悪いタイミング。
こんなときに限って、思いっきり目が合っちゃうなんて……。
向日くんもすごばつが悪い顔してるし。
私はその気まずさから、逃げるようにしてその場から足早に歩きだした。



