「葉月さんは、たぶん私のこと誤解してるよ」


「誤解?」



隣に座る緑川さんを見つめると、緑川さんは遠く空を見つめていた。



「私は強くなんかない」



きっぱりとそう否定するその横顔は、どこか切なかった。



「でも、緑川さんは誰に対しても自分が思ったことをハッキリと言うことができるし、私が根本さんから嫌味を言われたときも、何も言い返せない私に変わって言い返してくれたでしょ?」



そんな緑川さんのことを、私はずっと尊敬してた。



「言ったでしょ?あれはべつに葉月さんのためにしたことじゃないって」


「……でも、」


「あたしもね、昔イジメられてたことがあるの」


「……え?」



緑川さんが……?