ー蘭sideー 俺たちは紗羅と高遠という男の会話をドア越しに聞いている。 高遠の話を聞いて俺はドアを開けずにはいられなかった。 時雨のことがあってから他人に心を開くことのなかった紗羅が、華月の奴らに心を開き始めているんだ。 仲間という存在を知らなかった紗羅は頼り方を知らない。 だからこそ俺は紗羅に頼り方を覚えて俺たちに頼ってほしい。 もっと甘えてほしいと思うんだ。