「誰それ?」

紗羅が眉間に皺を寄せて俺に聞く。

かわいい顔が台無しだよ紗羅。

そんな顔もかわいいけどさ。

「俺たちの先代の総長と姫だよ。

俺たちに姫が出来たって言ったら会いに行くって言ってさ。

明日来るんだよ。」

「それ誰も聞いてないけど?」

拓人が言う。

「だって言ってねーもん。
それに俺も今思い出した。」

はぁ。
みんなため息をつく。

酷くね?
拓人に至っては呆れた顔をしている。