しばらく、そこで待っていると野次馬の一部が引いて行く



あ、通れる。



今思えば、大通りを通れば良かったんだ。おじさんたちはまだ来てなかったというのに、先に城前で待機できたというのに



なんて後悔したって遅いんだけどね。




「す、すみませんでしたぁ!!」




と、言って逃げてく男を見てから路地裏から顔を出す



が、最初に減ったっきり、一向に野次馬は減らない



………なんだ?




まぁ、いっか。と思い、路地裏から完全に体を出した




「おい、」




暗いところだったから、眼が明るさになれない




「……おい、」

「気づいてないんじゃない?」





うー、ようやく眼が慣れてきた



ってことで、おじさんよりはやく行こう!




「おいこら、餓鬼」


「わっ」




元気よく、一歩踏み出した時だった


襟首を掴まれ、体が浮く




足がプラプラと、



ん?何か聞き覚えのある声だ