僕は集まりつつある人ごみの中を、スイスイと進んで行く



もちろん、オグニが去って行った方向には行かない



今、あの場所が残っているならば、この眼で確かめたいものだ




………そう、僕の家が残っているならば、




確かめるために来たのはノーノミヤスに隣接する巨大な森




住民に場所は聞いた。その際、絶対近づくな、と言われた。なら、言うなってな。




「……ココは、変わってないんだ」





そっと、近くの木に触れると、枝が揺れ、さぁーっと葉と葉が擦れる音がする



いったい、あれから何年たっているんだろうか




この森の規模や、中心部の木々を見て多分100年は軽く………



その間に普通は二回ぐらい転生してるもんなんだけどなぁ




大昔っていってたし………どうなんだろ



貰った地図を見てみれば、ノーノミヤスは小国らしい。昔とあまり大きさは変わっていないようにも見えるけど



東と西に大国、か



………小国だからといっても、ノーノミヤスには多くの商人が集まる



緑も豊かだし、手に入れたいと思う国は多くあるんじゃないかと思う



まだ、無傷といってもいいノーノミヤスは、きっと何かに守られているんだろうな




ゆっくりと、昔とあまり変わらない道を進みながら、そう思った