風が気持ちいいよ、うん




「……楽しそうっすね」


「オグニも乗る?」


「いい。苦手っすから」


「へぇ」




そうなんだ。


横目で僕を見ていたオグニは、すぐに視線を前へと戻してしまった



………この人と会話が続かないんだよねぇ



最初はそうでもなかったのにさ





「にしても、その本いろいろ入ってるんですねぇ?」


「うん」


「どのぐらい入ってるんですかぁ?」


「んー、どれぐらい?」


「質問を質問で返すなっての」




自分でもわからなかったから、首を傾げて笑えば、オグニからつっこまれた




「んー、100?」





そこまででもないか。50ぐらいかな?





「どんだけ覚えてんすか。てか、よく子どもでそんな覚えれるっすね」





あ、やっちゃった。そうか、あり得ないのか、


今の世界では。




僕らの時代では普通だったんだけどなぁ