荷物を置いて、風呂に入った。

苗はきっと二階で勉強中だ。



聞いたって仕方ない。

何でそんなに勉強するのか、聞いたって…




俺には関係ない。




風呂から上がって、作り置きの飯を食った。



夏休み中、頼まれた翻訳を必死にやってた。

あれは陸玖に頼まれたから?

法学部に行きたいのも陸玖が行くから?




俺は飯を食べ続けた。

苗が降りてくるのが怖い。

でも降りてきて欲しい。



聞きたくない。

でも聞いて終わりにしたい。




食べ終わった。

苗、降りてこねーな。

自分の部屋に戻ろう。

より苗の部屋に近くなるけど。




ベッドに寝ころんで、音楽を掛ける。

なんか…耳障りだ。

消そう。


静まり返ると、別の部屋の物音が気になる。




ムリだ。

これからずっと一緒に暮らすんだから、いつか分かることだ。

今日、知らなくてもいつかは知るんだ。




ベッドから起き上がった。



聞こう。


はっきりさせよう。