天才に恋をした

「え…ウソでしょ。『うちの学校の』後輩?」

陸玖が、あ然としてる。

当然だ。



「しかも『志木沙織』って、明らかに志木先輩の妹だよね」

「名前は後から知った」

「付き合う前に聞こうよ」

「次からそうする」

「次なんてないな」



俺は肩を落とした。

ひさびさ付き合った女の子は、

サッカー部の先輩の妹だった。



「来たよ」

陸玖が緊張した声で言った。

俺は振り返らずに聞いた。


「沙織ちゃん?」

「違う…先輩の方」


げ!



「村瀬」

「オッス!」

すぐさま振り返る。




似てない…

似てないにもほどがあるだろ…





俺は、ディフェンダー以外の何ものでもない、その身体を見上げた。


「妹と付き合うって…?」

「…お…オッス!」

「ずっとお前のファンだったけど、乃愛がいたから、あきらめてたみたいだな」

「そ…そうなんすか」



話が途切れる。




「まぁよろしくな」

「オッス…」


気まずい。