天才に恋をした

帰国してすぐに、宮崎先生の墓参りに行った。

禅仏教に詳しかったけど、菩提寺は真言宗だった。

このユルさが、さすが日本だ。


蒸せ返るような暑さが、懐かしい。

日本はどこも水の匂いがする。



「真咲は、無口になったね」


母ちゃんが言った。


「苗ちゃんの方が、しゃべるようになったみたい」



手を合わせて、頭を垂れた。



お父さん。

ワッダーパークに入れるかは分からないけど、

何もかも自然なことだったと思うんです。


自然に自然に、こうなった。



お父さんがいないのは寂しいけど、死んで終わりじゃない。

お父さんが出来なかったことを俺が実現していきます。



目を開けて、宮崎家代々の墓を見つめた。

眩しいほどの菊の花に、宮崎先生が見える気がした。