天才に恋をした

角田が口惜しそうに言った。

「さすがに5月じゃなー」



飛行機が羽田を飛び立ち、30分。

俺はすでに眠かった。


謹慎が解けた途端に、またサッカー漬けの毎日。

昨日も遅くまで、試合の動画を見ていた。


「聞いてる?」

「5月が…なんて?」

「さすがに泳ぐには寒いよな」

「海開きはしてるけど…サッカーやろうぜ」

「なんのための沖縄なんだっ!」


角田は、手に持っていたパンフレットを投げつけた。


「女子の水着が見たいんだよっ!」

「…見たいか?」

「見たいよ」

「漫研の佐野ちゃ…」

「あのヒト、俺とスリーサイズいっしょデスカラッ!」


角田にも好みがあるらしい。



「夏にプールあるだろ」

「スク水じゃなくて、ビキニとか見たいじゃん!」


いよいよ眠たくなってきた。

「寝るなよ!つまんないって!寝るなよ!」


面倒くさいヤツ。



「なんか…面白い話しろよ…」

「う…うーん。ううーん…」


すっげーうなってる。



やがて「あっ」と、一声上げた。

「乃愛がさ、外部の大学受けるらしいよ」

「お休み」

「真咲ー!」



チラッと苗のビキニ姿を思い浮かべた。



…エロい。


バカどもには見せたくねぇ。

泳がない時期で良かった。