私は一旦落ち着こうと自室へ戻る。
「あ、おかえり」
「うん、ありがとね面倒みてくれて」
「いや、いいけどさーぁ、このねこどうすんの?」
「んー…とりあえず病院連れてってみる」
「……そっか」
他愛もない会話を聖奈の交わして
私は猫の傷をよく観察することにする。
傷は右前足の横に深い傷が一つ
目の上に少し出血していて
お腹周りの少しだけみられる細かな傷が一番気になった。
「痛いよね…もうちょっとだけまってね」
猫に人間の言葉なんてわからないと思うけど取り敢えず、喋ってみた。
「にゃぁ…」
小さい声だけど猫が私の言葉に答えたかのように鳴いたようなきがした。