大家族と財閥坊ちゃん



「友、類、蒼斗、楽!!!!」



部屋中に私の声をひびかせる。



「んーおはよぅ……」


一番最初に起きたのは二男の

常川 楽 がく

活発的でみんなをまとめてくれるリーダーみたいな役割をしてくれてる。

中3の楽にはまったりした双子の弟がいる。

「んー……」


ずーっと布団を離さず唸っているのは

楽の双子の弟

常川 友 とも

おっとりしていて家族の中で一番優しいマイペース屋さん。

「こらぁ!友!早く起きる!」



「ねぇちゃぁん…」



「グズグズ言わなーい!!」




「わかったよぉ…」



寝ぼけながら、ヨボヨボと立ち上がる友


おかしくて笑えちゃうけど会えて我慢。


次に起こすのがこの家族のかで一番厄介なやつ。

「る、るい、起きようか?」


耳元で優しく私は嘆く。


すると…


「ん、愛菜……愛してる」



そう言って首元に腕を絡ませ抱きついてくる。


やはり年頃の男の子となると力が強くてなかなか抜け出せない。


「助け…て…」



私は精一杯に友や楽に助けを求める。


しかし二人とも知らんぷりで支度を済ませ、何処かへ行ってしまった。



そして今だに手を離さないのが

常川 類 中学二年生

これまた双子の兄で

極めて変態チックなシスコン……。




毎日毎日ベタベタベタベタとくっついてきて

毎日毎日愛の言葉を吐かれうんざりする毎日。


「類、離して?」

腕をつかみながら言っても逆効果みたいだったようで…


「何?俺から離れるの?どこ行くの?いつ帰ってくるの?誰のとこに行くの?そいつのこと好きなの?ならそいつぶっ殺していい?」


「あ…あはは……」

流石にここまで来ると、かなり精神的に兄妹を心配してしまう。


一度精神科に類を連れて行こうかと真剣に悩んだ時期もあったくらいだった。


でも、嫌々を貫くばかりで未だに連れて行けない日々…。

彼女でも作れば私から卒業できるはずなのにねぇ…。

あ…その彼女が大変だな…あ…はは。





まあ、そんなことより


「蒼斗ー!おきて!!!!」



双子の弟蒼斗を起こす。



私の一言で蒼斗は起き上がって



まだ抱きついている類の手を払ってくれた。




「はぁ…ありがとね、蒼斗」


私は蒼斗に例をいって


なんだかんだで騒がしい朝のミッションをクリアすることができた。


類はぶつぶつと何か言っていたけど


それな気にしないでおこうと私は思ったのであった。