のそのそと廊下を歩き
襖から顔を覗かせた。
「ぐかぁっ………んむぅ………」
寝言がうるさいお父さん。
「あーまぢぃ?めっちゃわらけるんすけどー!!あはははっ」
「こらっ!聖奈!煩いっての!電話するなら私の部屋でしてきて!」
「んぁーなにぃ?まぢでうるさいんすけどーぉ」
ったく。思春期だかなんだか知らないんだけどうるさい!!
この煩い甲高い声をしたのが私の一つしたの妹の
常川 聖奈 せいな 高校二年生 16歳。
髪を金髪に染めて、今ではギャルに成り果ててしまった聖奈。
でも、中身は案外優しい子だからそんなに悪く言わない。
ただうるさいのだけは認めよう。
「聖奈ちゃん?早くイかないと?家追い出すよーぉ?」
「ちょっ!姉貴!それだけは勘弁してぇー!!姉貴の部屋いくから!おいださなあいで!!」
「とっとといけ!!!!!」
「ねーたん、うるたいのぉー!!!」
「ん??!」
「ぶー!ねーたんうるたい!あっちいってぇー!」
私の足にしがみついて喚いている子は
「ご、ごめん…理人…」
常川家で一番大人な
常川理人 りひと
5歳。
「やー、!うるたい!!!はやくいってー!」
「わかったんかった、ごめんてば!」
主導権はいつも理人にもっていかれてしまう。
はぁ-…ほんと、子供ってすごい。
私より大人なんだから…。

